MQLセミドライ加工システム-Minimum Quantity Lubrication-

Q&A
| セミドライとは | セミドライ油剤に関して | 取付に関して |

セミドライとは

セミドライとはなにか

極微量の高潤滑切削油を圧縮エアに混ぜてミスト状にし、刃先にピンポイントに塗布し加工するシステムです。油剤の使用量は1時間あたり4~30mLで、限りなくドライに近い状態で行う加工方法です。別名として「MQL」「NDM」「ミストクーラント」「最小潤滑」とも言われています。

セミドライの油煙は発生するか

油煙が気になるほど発生することは有りません。
クーラントと比べ使用油量が数mLと極微量のため、目に見えない程度の吐出量で、弊社セミドライ装置は煙らない粒径分布となるよう考慮されているためです。
なお、長時間の使用、発熱量の多い加工では「油煙」が発生する場合があります。本対策に、弊社の浮遊ミスト対策の油剤の使用、または集塵フィルターやミストコレクター等の設置を推奨しています。

火災リスクについて

火災は発生しません。吐出されたミストは気化せず、油量は極少量であるためミストそのものが燃える危険性はありません。30年以上の販売実績の中で、火災の事例はありません。各油剤の引火点につきましてはSDS/性状データをご参照ください。

セミドライが得意な加工と被削材(ワーク)

アルミ、銅、一般炭素鋼、耐熱合金など幅広い分野で使用されています。比較的加工熱が発生しにくい、仕上げ加工等に適しています。切断、金型加工、小径深穴加工、精密加工では多く使用され、転造、ブローチ、旋盤加工にも使用されています。

セミドライ装置の違いと利点(他社との比較)

【外部給油の場合】

  • 油量を精密に制御/管理できます。また、セミドライ装置ON/OFF時も素早く連動するため、レスポンスが良く、ミストの吐出ムラも極めて少ないです。
  • 特にFKタイプは、粘度に依存せず安定吐出が可能です(粘度10以上~)。粘度10以下の場合、乾燥性に特化した油剤も安定塗布できる装置(MK)もラインナップしています。

【内部給油の場合】

  • 高速スピンドル回転下でも安定吐出可能です。セミドライ装置自身に、ミスト粒径を細かく制御する機構を設けることで工具のオイルホール径と供給圧の差圧のみでミストを搬送出来ます。
  • 圧力の自動制御機構を設けている為、工具径にも自動対応する装置で、レトロフィットにも対応します。 また、油量を精密にコントロールでき、レスポンスも良く、少ないエア量でも効率的にミストを搬送することが出来ます。

装置・油剤の価格

オープン価格。装置仕様により価格が変動しますので、ご要望に応じて給油装置・油剤を選定します。

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切りくず処理について

切りくずをエアで飛ばすことが可能です。しかし、機内に堆積する恐れもあるため、定期的な機械内の清掃を推奨します。また、べたつきの少ない油剤もご用意しています。

セミドライの吐出の確認方法

セミドライはエアに油を混ぜて吐出しているため目視は困難です。段ボールまたは鏡等に油がしみ込んだ軌跡が描けていることを確認ください。

冷却性について

セミドライは水溶性クーラントと比較すると冷却性に劣ります。冷却性が要求される荒加工には不向きです。しかし、冷却によって過冷却を起こす加工もあり、必ずしも冷却性が重要でないという逆転の発想が必要です。

装置貸出/デモ(テスト/トライアル)について

弊社ではデモを目的としたセミドライ装置貸出を行っております。ご用命の際は、弊社までお問い合わせ下さい。
また、弊社加工設備を用いたセミドライの試験加工も行っております。トライアルセンターについてはこちら

セミドライの油量"□mL/h″について

弊社セミドライの油量は、1時間吐出し続けた状態で□mLの油を消費したと表記しています。実加工のサイクルタイムの積算1時間での消費量(□mL)となりますので、ご留意下さい。

油量の計測方法

数秒間ペットボトル等にオイルミストを捕集し重量の増加(/油剤の比重)で油剤の消費量を算出します。なお、電子天秤は、0.0001g程度の分解能が必要です。